今ここで緊急地震速報が鳴ったら、みなさんどうしますか?――あんどうりすさんの問いに、思わず「えーっどうしよう」と周囲を見回したところ、「みなさんたいていやることは隣の人を見ることです(笑)」。
まず上を見て横を見て、落ちてくるもの、飛んでくるものがない場所へすばやく移動すること。「机に隠れる」と教えられた子どもが屋外で机を探したというエピソードもあるそうで、基本は安全な場所に逃げる、だそうです。
21年前の阪神淡路大震災の被災経験があるあんどうりすさんによる「小さないのちをまもる 生活に役立つアウトドア流防災講座」が1月16日、さきちゃんちで開かれました。学校などで教えられた防災の「常識」が現実的でないことを、あんどうりすさんは次々指摘していました。窓は割れるので近寄らない。常備すべきは懐中電灯ではなくLEDライト。防犯ブザーより、玉の入っていないホイッスル。すべての話が目からウロコでした。
あんどうさんは、モノを覚えるのではなく、「しくみ」を知りなさいと説きます。たとえば断熱のしくみ。「うごかない空気」があることがポイントで、毛布よりも、間に空気が入っている段ボールやプチプチの包装材を下に敷く方が寒くない。分厚い服を一枚着るより、薄い服を重ねる方が空気の層がいくつもできるので寒くない。ただし、ぬれた服はたちまち体温を奪うので、汗や水でぬれた服の上からいくら厚着をしてもあたたまらない。こうしたアウトドア業界の常識を、ぜひ防災に生かしてほしいといいます。
小さいお子さんをお持ちの方にぜひ学んでいただきたいのは、「おんぶ」だと思いました。お年寄りや、けがをした人だって、ひも一本でおぶえます。子どもが大きくなった家庭でも使える技術だと思いました。さらし一本がマルチユースの防災グッズになるというお話でした。
休憩時間に、NECネッツエスアイ(株)ご提供の非常用保存食の炊き出し用アルファ米50人分にお湯を入れて「五目ごはん」をつくりました。時間がなくて試食はできず、パックに入れて参加者のみなさんそれぞれにお持ち帰りいただきました。
回収できた5通のアンケートはすべて「とてもよかった」。もっと聞きたかったという意見もありました。また機会あれば及びしたいと思います。そして、ぜひまた、おんぶ講座も開こうと思いました。非常用保存食もあと1箱あるので、あと2回、防災講座もできそうです。